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 2013年末、国道129号線沿いに開店したユニクロの一角に「みんなのトイレ」が整
備されました。この他にも、チェーン店展開されているコーヒーショップやカラオ
ケ店などでも「みんなのトイレ」の整備が進んでいます
 調査にご協力いただいた平塚市内「みづほ野グループ」の店舗にも「みんなのト
イレ」が設置されています。
 必要な装備や使いやすさは利用者によって異なるので、お食事に行かれる前に一
度、トイレについて問い合わせされてもよいかもしれません。
 調査を進めて行く中で、車いすを利用されている方から「バリアフリートイレが
設置されている飲食店はどこに?」という声が届きました。飲食店のバリアフリ
ートイレの設置を求める方が多いことがわかりました。
 公共施設だけでなく、生活に身近な場所やリフレッシュできる空間のトイレ整備
が進むと、安心して外出する機会が増えるのではないでしょうか。
 ここなら安心して過ごすことができる、と実感できる場所を探して、心豊かな
‘ひらつか生活’を送りたいです。
 
 
 抱っこひもをした男性が赤ちゃんを抱えて歩く姿、男性が小さいお子さんを連れ
てトイレに行く姿も目にします。ところが、おむつ替えに必要なベビーシートや
ベビーキープが設置されているトイレはまだまだ女性側に多いのが現状です。
「みんなのトイレ」は男性もお子さんと気兼ねなく利用できるトイレです。
 1994年ハートビル法、2000年交通バリアフリー法が制定され、視覚障がい者の歩
行移動を支援する仕組み、装置として様々な音声案内システムや点字サインが普
及しつつありますが、平塚市内ではまだ充分な整備が進んでいません。
 男性用なのか、女性用なのか、或いはみんなのトイレなのか、扉から便器に至る
までの配置を音声等で誘導することは視覚障がい者のみならず、高齢者や小さい子
どもにも優しい環境ではないかと考えます。
 人間の尊厳に関わる場所「トイレ」。その音声案内システムと点字サインの整備
が一日も早く進み、一人でも 多くの障がい者や高齢者の方々が気兼ねなく外出で
きる機会が増えることを願っています。
 
 ユニバーサルデザインとは、「ユニバーサル=普遍的な、全体の」という言葉が  
示しているように「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障がいの有無  
にかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインする  
ことをいいます。  
 この言葉や考え方は、1980年代にノースカロライナ州立大学(米)のロナル  
ド・メイス氏によって確立され、7つの原則が提唱されています。  
 
 ユニバーサルデザインの7つの原則  

1.どんな人でも
公平に利用できること(公平性)

2.使う上で柔軟性があること(柔軟性)


3.使い方が簡単ですぐわかること(単純性)


4.必要な情報がすぐに理解できること(わかりやすさ)


5.うっかりミスや危険に繋がらないデザインであること(安全性)


6.無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること(省体力)


7.アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること(スペースの確保)


よく取り上げられる身近なユニバーサルデザインの例

・シャンプー容器のギザギザ

・テレホンカードの切れ込み

・多機能トイレ

・エレベーター、エスカレーター、階段

・缶ビールの点字表示

・使い勝手が良い自動販売機

・ノンステップバス


 
 バリアフリーは、人を隔てたり、行動を妨げたりする障壁(バリア)を除去した
状態をあらわす言葉です。障がい者・高齢者などの生活弱者のために、生活に障
害となる物理的な障壁を取り除くという考え方です。
 ひとつの例を挙げると、玄関前にある段差にスロープをつけるのはバリアフリー
の考えです。一方、ユニバーサルデザインでは、設計時点からスロープを計画し
 作ります。しかし、完成した玄関前は全く同じ形状です。これが混同しやすい理
由となっているようです。
 (参考資料:ウィキペディア)
   
 
 物や施設などのハード面のユニバーサルデザイン(バリアフリー)が整備された
としても、サービスを提供する人、そしてサービスを受ける人そのどちらにも心
のやさしさや思いやりがなければ、本当の意味でのユニバーサルデザイン(バリ
アフリー)のまちは訪れません。誰もが住みやすいまちにするために「心のユニ
バーサルデザイン・心のバリアフリー」をいつも心に持ち続けることが大切です
 
 
 
 いくつかの公共施設に見慣れない、長い形状、前後の空間があるトイレが設置さ
れています。「介助付重度者用トイレ」と呼ばれるタイプです。 
 排泄の促進などに介助者の手を借りるために長方形のサイズになっているようで
自身で排泄行為をする車椅子の方も使用できます。ただ、体幹機能が弱っていて 
臀部が安定しない方は姿勢の崩れによる落下の危険性があります。使用するとき 
は充分に注意する必要があります。 
 トイレ環境が整備されてきた歴史の一コマを見ているようです。いろいろな技術
が進歩し、快適なトイレ状況にしていくために時間はかかります。少しずつでも 
改善を進めていくことが必要だと感じました。 
 
 
 
  バリアフリートイレを取材するに当り、実際に車椅子で生活するYさんに同行し
ていただきどのようなところに問題があるのかを聞いてみました。以下はYさん 
が普段感じておられる「段差」についての感想です。 
 

 トイレ調査に参加して、改めてユニバーサルデザインの難し
さを学びました。
 トイレだけでなく、その周辺の「段差」や砂利道、坂道など
多くの問題点がありました。 
 屋内で高齢者が畳の縁につまずき骨折をした話をよく聞きま
 す。けれど、一歩外に出れば、至る所に「段差」はあります
難しいのは「段差の基準」が個々の障害や年齢によって異なる
ことだと思います。 
 社会から「段差」を完全に無くすことは無理であれば、少な
くとも利便性の高いトイレや、公共施設や主要道路等の「段差
の許容範囲」をどこまでとするかなど「段差の基準」を設け、
トイレだけではなく災害時の避難通路の安全性をも含めた「段
差問題」を改めて考える時かもしれません。(Y) 
 〜 〜 〜 〜
 段差に限らず、私たちが日常何気なく歩いている道には、健常者には気づかない
小さな凸凹や、視覚障がい者用の黄色い点字ブロックなどがあります。車椅子の 
方やつまづきやすくなっている高齢者にとってみれば、それらは大きな障がい物 
となってしまうこともあると聞きます。 
 誰にとっても住みやすいユニバーサルデザインのまちづくりを目指していきたい
 ものですそれには、年齢や障がいの有無に限らず、市民一人ひとりが一緒に考え
知恵を出し合っていくことも大切ですね。
 
 
  「障がい」には、肢体、視覚、聴覚など多様なケースや個人差があります。
「みんなのトイレ」は高齢者やお子さんが利用しているときもあります。「使用
中」にノックする時は、話しかけるように、やさしく、ゆっくり、2回だけノック
してみましょう。返事の合図に時間がかかってしまうときもあります。 
 学校のトイレは『汚い・臭い・暗い』の3K小さい頃からの残念なイメージ… 
 みんなでめざそう!…脱3K
 1K目 汚い みんなで使うトイレですからキレイに使うのが絶対ルール!
            除菌ティッシュやスプレーを携帯しよう!
        使用後は使用前よりキレイになるかも…
2K目 臭い 公共下水、水洗化が当たり前の現在は臭いトイレは激減中!
        キレイに使うことで、臭いの原因は軽減します。
 3K目 暗い 蛍光灯の機能向上・長寿命化やLED照明の普及など、狭くて暗い
        トイレのイメージも随分変わってるかも…
 みんなのトイレは『キレイ・臭くない・明るい』の新しいイメージみんながいつ
も清潔に気持ちよく利用できるよう、心がけて使いましょう。 
 汚したまま逃げるように出て行くなんて『絶対禁止』!車椅子の目線でトイレを
見てみましょう。新たな気づきがありますよ。汚れの除去や整理整頓、自分でで 
きることがあったときは必ずやってみましょう。 
 あなたのやさしい気持ちは「みんな」に伝わります。
 
 
 みんなのトイレ情報を発信するにあたり、市内公共施設及び商業施設の皆さまに
は、トイレの調査・取材等におきまして、ご理解、ご協力をいただき誠にありが
とうございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
 
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